2023.02.28
トランシーバーをワイヤレスで通信したいなら
トランシーバーをワイヤレスで通信するために必要となるBluetoothの仕組みや、ワイヤレス化の方法、ワイヤレスで利用すると便利なシーン、メリットやデメリットについてみていきましょう。
ワイヤレスで使用する場合、Bluetooth機能を使用する

トランシーバーをワイヤレスで使用するためには、ワイヤレス通信規格であるBluetooth機能を使うことによって、可能となります。
ワイヤレスで使いたいトランシーバー、インカム、無線機と、Bluetooth対応のイヤホンマイクとを、デバイスをつなぐためのペアリングを行えば、ワイヤレストランシーバーとして使用できます。
Bluetoothについて
Bluetoothとは、デジタル機器を無線で通信できる技術のひとつです。
これまでは、デバイス同士をつなげたい場合には、ケーブルで繋いでいましたが、Bluetooth対応デバイスであれば無線でデータをやり取りすることが可能です。
Bluetoothでは極超短波の2.4GHz帯を使って通信をすることで、デバイスとデバイスを繋いでいます。
Bluetoothに対応しているデバイスの内部には、受信機とソフトが備わっているチップが含まれています。
つなげたいデバイス内のチップ同士が呼応することで、接続できるのです。
対応している距離は、Bluetoothの 電波強度を示すClassによって異なりますが、高いClassの機器でも、低い方のClassの距離に合わせて接続されます。
現在、もっとも短い距離はClass2で、半径10メートル程度となっています。
Bluetoothは対応距離と利便性の高さから、パソコンやスマートフォンと、周辺デバイスとを結びつける目的では使われることが多いですが、ワイヤレスのトランシーバーとしても利用できるのです。
Bluetoothは国際標準規格となっていて、標準化団体のBluetooth SIGに、大手デバイスのメーカー各社が加盟していることから、世界中に普及している技術となっており、メーカーや製造国を問わずに、デバイスを結びつけることができます。
また、Bluetoothは、モバイルの通信技術である5G、4G等と違い、対応している機器がありさえすれば、通信をするにあたって料金がかからないことも特徴です。
ワイヤレスで活用する方法は、お手持ちのトランシーバーの本体とイヤホンを、Bluetoothでペアリングの設定をおこないます。
メーカーやデバイスによって多少違いはありますが、基本的な手順は以下のとおりです。
1.接続したいデバイスの電源ボタンを長押して、ペアリングを行う
2.デバイスが検地されたら、トランシーバー側のボタンを押して接続をする
3.ペアリングが完了したら再起動
これらの手順が完了したら、すぐにワイヤレスとして通信することが可能です。
専用アプリが必要な場合には、スマートフォンにアプリをインストールした上で、ペアリングを行います。
Bluetoothに対応しているトランシーバーでなければ、Bluetoothでペアリングすることはできませんので、注意が必要となります。
ワイヤレス化するに当たっての注意点
上記のように、トランシーバーのワイヤレス化はすぐに行うことができますが、注意をしておきたいポイントも2つあります。
電波干渉に注意
ワイヤレスでトランシーバーを使っている際、他のBluetoothを使っている機器がすぐ近くにあると、電波が干渉されるおそれがあります。
通話でノイズが入る原因となる、もしくは通話が途切れてしまう可能性もあります。
Bluetooth だけではなくWi-Fiの電波も同じような現象が起こることがあります。
最近はさまざまな場所で、ごく当たり前にBluetoothやWi-Fiが利用されています。
業務で使用する際には、電波干渉されることがなく、途切れず安定した通信ができることが求められることもあります。
その場合には、ワイヤレスではなく、ケーブルとイヤホンマイク繋いで通信をした方が望ましいケースもあります。
バッテリー対策は忘れずに
Bluetoothを使うデバイスは、USB等であらかじめ充電して使用するというタイプがほとんどです。
充電が切れてしまうと、当然通信することができなくなります。
また、充電が残り少ない状態でも、通信に影響があります。
充電式のデバイスはUSB充電のみで、乾電池やAC、DC等、他の給電方法がない、というものがほとんどです。
また、頻繁に使う機器の場合には、何度も充電を繰り返すことで消耗してしまい、充電してもすぐに放電されることもありますし、故障につながる可能性もあります。
緊急時に使用できない可能性があると、重大な問題となる業種や職種の場合には、ワイヤレスでの通信は避けた方が無難だと言えるでしょう。
ケーブルが業務の支障になるという場合には、別途ケーブルが邪魔にならないような対策を練ることも必要です。
Bluetooth対応のおすすめトランシーバー
Bluetooth対応でワイヤレス通信におすすめしたいトランシーバー3点について、それぞれの特徴や強みについてご紹介いたします。
Bluetooth対応のおすすめトランシーバー3選
IC-DPR4C
■IC-DPR4C の特徴
・2W出力
・名刺サイズの小型で軽量
・空中でも利用できる5chを実装

アイコム製のIC-DPR4Cは、2W出力のデジタル簡易無線機です。
1Wよりも電波が良く飛ぶことが大きな特徴です。
見通しが良い場所の場合は約3.5km、市街地でも500mから1kmほどと、1Wと比べてかなり広い範囲で通信することができます。
重量は付属バッテリー込みでも約148gととても軽量で、名刺サイズで持ち運びしやすい大きさにもかかわらず、最大で12時間の運用が可能です。
地上利用向けの30chだけでなく、上空でも使える5chも実装されています。
パラグライダー等、空中で行うレジャーでの通信にも利用することができます。
内蔵スピーカーは1000mW以上の高出力ですので、大型イベントでも問題なく使うことができます。
1W出力では物足りない、5Wでは高性能すぎるというニーズに合わせた、バランスの取れたスペックとなっています。
BONX GRIP
■BONX GRIP の特徴
・最大10人同時通話可能
・無料スマートフォンアプリとの組み合わせ
・IPX5相当の生活防水性能

BONX GRIP(ボンクスグリップ)とは、BONX製のワイヤレストランシーバーウェアラブル です。
イヤホンと無料のスマートフォンアプリを組み合わせ、BONX GRIPをBluetoothでペアリングすることで、10人まで同時通話が可能です。
IPX5相当の生活防水や、耐衝撃性等、便利な機能を兼ね備えています。
距離は無制限ですので、室内でもアウトドアでも、さまざまな場面で活用することができます。
ノイズキャンセリングや風切音対策も実装されていますので、天候が悪い過酷な環境でも、スムーズな通話が可能です。
ワイヤレスの強みを理解し、導入しましょう
トランシーバーや無線機を使用する際、ケーブルが気になる場合には、Bluetoothでペアリングして、ワイヤレスにすることでコードを気にせずに通信をすることが可能です。
ワイヤレス化のためには、Bluetoothに対応をしている機器が必要となります。
トランシーバーや無線機をワイヤレス化するメリットとデメリットを把握した上で、ワイヤレス機能を導入してみましょう。