2022.07.29
携帯電話のように同時通話ができるのが、同時通話型無線機です。
ここでは、そんな同時通話型無線機についてお話しましょう
従来の無線機は片方が送信を行い、もう片方が受信をして会話内容を聞くという形式で会話を行います。
そのため、携帯電話のような同時通話ができないのがネックでした。
しかし、近年では双方が送受信を同時に行える「同時通話」可能な無線機が増えています。
無線機の仕組み

無線機が片方ずつしか通話できないのは、直接同じ周波数で電波を送信して会話を行うからです。
携帯電話のように基地局を経由しないため、送信と受信は常に一方向のみです。
そのため、無線機は送信と受信を切り替えて行うPTT(プッシュ・トゥ・トーク )が基本の形式となります。
テレビで無線機を使用するシーンで最後に「どうぞ」といっているのは、相手に送信権を譲りますという意味が込められているのです。
同時通話型無線機の仕組み
同時通話型無線機は、お互いが異なる周波数を用いて通話を行う「クロスバンド方式」と呼ばれるシステムで通話を行います。
送受信で異なる周波数を用いますが、「クロスバンド方式」では、会話の際に自動的にチャンネルが切り替わるようになっています。
これにより、携帯電話のように無線機通信を行うことが可能となりました。
同時通話のメリット

同時通話型無線機のメリットは、より素早く連絡が行いやすくなることです
例えば、従来の無線機だと、送信権が移るまでこちらの情報を伝えることができません。
急なトラブルが起きても、相手方の送信が終わるまで報告できないため、対処が遅れる可能性は高いです。
しかし、同時通話が可能であればリアルタイムでの通信ができるため、問題に素早く対処が可能です。
また、普段から携帯電話の通話に慣れている場合、携帯電話のように通話ができるので、違和感をおぼえることなく無線機通信ができるのもメリットといえるでしょう。
同時通話型無線機のデメリット
同時通話型無線機のデメリットは、通信距離が短くなる可能性があることです。
シンプルな仕組みで通信可能な従来の無線機と違い、同時通話型は通信距離がやや短くなっています。
そのため、従来の無線機と同じ感覚で使っていると、通信できずに困ることがあるかもしれません。
長距離での運用を想定しているのであれば、通信距離が長い同時通話型無線機を選ぶ必要があるといえるでしょう。
また、同時通話型無線機は増えてきていますが、まだ機種が少ないです。
IP無線機や特定小電力トランシーバーなど無線局に限られ、選択肢が少ないこともデメリットといえるかもしれません。
こんな職業・シーンにおすすめ

同時通話の無線機は、基本的にどんな現場でも活躍してくれますが、以下の職場で大きく貢献してくれるでしょう。
建設現場
荷物の運搬や施工など、常に目まぐるしく移動し続ける建設現場では同時通話型の無線機が大きく活躍してくれます。
同時通話型無線機の強みに、送受信のボタンを押す必要がないという点があります。
そのため、両手が塞がりがちな現場では非常に重宝します。
アウトドア
建設現場と同等に動き回り、両手が塞がりやすいアウトドア環境でも同時通話無線機は活躍してくれるでしょう。
例えばツーリングを行う場合、ナビゲーター役に素早く現状を伝えやすいですし、移動中の雑談も楽しめます。
また、スカイダイビングなどのエアスポーツでも通話がしやすくなるので、初体験の人にアドバイスを送りやすくなり、安全にスカイダイビングを楽しめやすくなります。
同時通話ができる無線機紹介
同時通話ができる無線機は、各メーカーで販売されています。
ここでは、ウェッジがおすすめする同時通話型無線機をご紹介いたしましょう。
BbTALKIN CS1
■BbTALKIN CS1の特徴
・ヘルメット装着型なので工事現場に最適
・最大6名と通信可能
・ハードな現場でも使用できる耐久力が魅力

オンズカンパニーより販売されている同時通話可能な無線機です。
クリップを使用してヘルメットに取り付けるタイプになっているため、メット着用が必須の工事現場やツーリングで活躍してくれるでしょう。
最大6名と通話が可能であり、3名なら500メートル以上、最大人数の6名でも300メートルが通話可能県内と、少~中規模の工事現場では問題なく性能を発揮してくれます。
また、土木工事での使用を想定して作られた無線機のため耐久力も優れており、防水・防塵ともに優れた効果を発揮します。
BM-X10
■BM-X10の特徴
・最大10人と同時通話可能
・使用環境に合わせてPTT通話も可能
・ロングアンテナを使用すれば最長1.5kmの通話範囲をカバー

ベアリッジ/ベアーが販売している同時通話型の無線機です。
特筆すべきは同時通話可能な人数であり、同時通話なら10名、傍聴だけの場合、無制限の人数と通信ができます。
また、ロングアンテナが必要になりますが、使用すれば最長1.5km離れた相手とも通話できるため、通信距離も広いです。
ハンズフリーでもPTTでも環境に応じて通信方法を使い分けられるので、使い勝手の良い無線機といえるでしょう。
BONX GRIP
■BONX GRIPの特徴
・アプリ使用で同時10名通話可能
・イヤホン型であり、無線機本体がない
・無制限の通信距離

BONXが販売しているイヤホン型無線機です。
従来のような無線機タイプではなく、イヤホンのみで使用する無線機です。
アプリを介してインターネットを使用して通信を行うため、通信距離が無制限です。
そのため、会話だけではなく距離まで携帯電話に近い感覚で使用できる無線機といえるでしょう。
スマートに使用できるため、主にアウトドアの現場で活躍していることが多いです。
なお、プランによって通話可能人数が変動するのでプランは確認しておきましょう。
無線機は進化する
無線機は進化しており、同時通話ができる無線機は今も増え続けています。
そのため、携帯電話でも通信が困難な場所でも、無線機で携帯電話のように通話できるようになっています。
趣味に、仕事に、無線機を使用する場合同時通話ができる無線機を検討してみてはいかがでしょうか。