2022.03.16

トランシーバーアプリでIPトランシーバーのコストを削減
スマホをトランシーバーとして使用できるトランシーバーアプリ 、そのメリットについてご紹介します。
IPトランシーバー(無線機)は長距離通話が可能なので、空港や運送業等で重宝されています。
しかし、使用するには人数分のトランシーバーが必要ですし、IPトランシーバーはコストが高いため、数が揃えにくいのがネックとなっています。
そんな問題点を解消できるのが、トランシーバーアプリです。
ここでは、そんな トランシーバーアプリについてご紹介いたします。
トランシーバーアプリとは?

トランシーバーアプリとは、iPhoneやAndroidといった端末で利用できるアプリであり、 インストールするだけでトランシーバーと同じように使用が可能です。
有料アプリと無料アプリがあり、有料のものは主に企業向けのアプリであることが多いです。
アプリによってBluetooth、電話の通信回線、Wi-Fiなど通信方法は異なり、通信可能距離は異なります。
しかし、どのアプリでも使用に免許も申請も必要ないため、インストールしたその時からトランシーバーアプリを使用・通話が可能です。
トランシーバーアプリで通信する際の方法はすべて電波法に抵触しないため、業務で用いる場合でも業務用無線機のように免許を取得する必要はありません。
トランシーバーアプリのメリット
トランシーバーではなくトランシーバーアプリを使用する場合、どういったメリットが有るのかご紹介しましょう。
手軽に使える
トランシーバーアプリで最も大きなメリットは、やはり 手軽に使えることでしょう。
アプリをインストールし、オンライン登録を使用するだけでスマホをトランシーバー代わりとして使用できるのは、トランシーバーアプリならではといえます。
また、周辺機器もヘッドセットやイヤホンは専用のものを購入する必要がなく、スマホ対応の周辺機器で代用が可能です。
しかし、IPトランシーバーのオプションサービスが必要な場合は別料金が発生することもあります。
コストを減らせる
トランシーバーアプリの導入は、トランシーバーの導入よりもコストを減らしやすくなります。
無線を使用したい場合、アプリを使用しない場合は人数分のトランシーバーを用意しなければいけません。
その場合、IPトランシーバーを導入あるいは購入した場合、かかるコストは少なくありません。
また、トランシーバーを揃えた場合、保管のためのスペースも考えなくてはいけませんし、全員分揃えるのに時間がかかる場合もあります。
トランシーバーアプリならばコストはトランシーバー本体を人数分揃える必要はありませんし、各々スマホで管理できるため、保管のスペースを考える必要もありません。
また、インストールした直後に使用できるため、 時間的コストも発生しません。
そのため、金銭以外にも、スペースや時間のコストの削減にも繋がりやすくなっています。
いざというときの緊急連絡に使いやすい
例えば、災害が起きて仕事先に連絡を入れる必要がある際、電話が繋がりにくくなっていることは多いです。
災害の規模が大きければその分電話回線がパンクしていることが多いからです。
トランシーバーがあればスムーズに連絡がしやすくなりますが、トランシーバーは職場に保管されているというのであれば活用できません。
トランシーバーアプリなら各々のスマホで管理できるため、いざというときの連絡もスムーズに行ないやすいです。
コミュニケーションアプリとトランシーバーアプリの比較
スマートホンでは、トランシーバーアプリ以外にも、仲間内で連絡できるコミュニケーションアプリが多く開発されています。
ここでは、トランシーバーアプリとコミュニケーションアプリを比較した結果についてお話しましょう。
公私を分けやすい
コミュニケーションアプリでも連絡は取れますが、こちらはプライベートとビジネスの連絡相手が混同してしまうリスクがあります。
このリスクは、場合によっては会社の機密情報を意図せずに公開してしまう可能性があり、会社での自分の立場を危うくするリスクを孕んでいます。
なにより、プライベートでのアカウントを知られると、私生活に支障が生じるケースも考えられるため、公私はしっかりと分けておくに越したことはありません。
トランシーバーアプリならビジネスのみと割り切って使用できるため、上記のようなトラブルが起きるリスクは、大幅に抑えられます。
フレンド登録等の作業不要
コミュニケーションアプリでは、フレンド登録を行うことで、相手との連絡が可能になります。
そのため、連絡を取りたい相手を限定できますが、仕事でコミュニケーションアプリを使用する場合、連絡が必要な相手の登録をひとりひとり行う必要があります。
また、仕事をする上で人員が入れ替わることも多くなるので、管理が煩雑になりやすいのはデメリットだといえるでしょう。
トランシーバーアプリならそうした登録は不要であり、チャンネルの切替を行うことで、アプリ所持者のメンバー同士で連絡が可能です。
トランシーバーアプリのここに注意
トランシーバーアプリにはメリットも多いですが、一方トランシーバーと比較するとネックとなる部分もいくつかあります。
ここでは、トランシーバーアプリを使用する上での注意点と、その対策についてご紹介しましょう。
バッテリー管理が大変
トランシーバーアプリ最大の弱点とも言えるのが、バッテリーの問題です。
トランシーバーはバッテリーが長持ちするものが多く、20時間以上の連続使用が可能な機種が多いです。
一方、スマホは通話以外にも様々な機能を使用した場合、バッテリーの消耗が激しく、結果としてあっという間にバッテリーが切れてしまうリスクがあります。
また、所持しているスマホのバッテリーが老朽化していた場合、バッテリーの消耗も激しくなります。
この場合、人によってバッテリーがどれだけ持つのかわかりにくいというのはデメリットといえるでしょう。
対策としては、モバイルバッテリーを常備しておけば、いざというときに充電できるため、トランシーバーアプリを使用する際はモバイルバッテリーも準備しておきましょう。
アプリによっては品質に問題がある場合も
トランシーバーアプリは、アプリによっては品質が低く、使用に際して問題が生じることがあります。
具体的には、通信の設定が難しかったり、通信距離が短かったりといったリスクが発生する可能性が考えられます。
こうしたアプリは主に無料アプリで発生するケースが多いです。
緊急時の連絡に使用することを前提とした場合、トランシーバーアプリ選びは慎重に行なう必要があります。
トランシーバーアプリでオススメの使い道
トランシーバーアプリは従来のトランシーバーと同じように使用できます。
そんなトランシーバーアプリで特にオススメの使いみちについてご紹介しましょう。
ツーリング
長距離のツーリングのような 両手が常にふさがっているようなレジャーなら、トランシーバーアプリはトランシーバーをレンタルするよりも役立ちます。
ボタン一つで通話モードに切り替えることができるため、スマホの電源の消費を気にせずに長距離移動ができます。
また、アプリによっては位置情報や写真の共有機能もあるため、はぐれた場合の待ち合わせ場所の指定も行いやすいです。
ウィンタースポーツ
スキーやスノーボードといったウィンタースポーツをする場合、トランシーバーは便利です。
スキー場で滑っていると、周囲の音で会話がしにくかったり、ゲレンデの風の音で声が届きにくくなったりすることは少なくありません。
また、携帯電話では山を滑っているときに圏外になっていることもあり、通信が困難になることもあります。
そんなとき、トランシーバーがあればボタン一つで気軽に通話できますし、トランシーバー同士で電波の送受信を行うので、圏外になりにくいです。
トランシーバーアプリならスマホだけ持っていれば気軽に通信できるため、荷物がかさばらずに済むというのもメリットでしょう。
オススメのトランシーバーアプリ
ウェッジでは主に業務用のトランシーバーアプリを提供しております。
ここでは、ウェッジが扱っているトランシーバーアプリについてご説明いたします。
注意点
トランシーバーアプリで通信を行う場合、通信が可能なのは、アプリ同士、もしくはそのアプリに対応しているトランシーバーのみです。
そのため、使用しているIPトランシーバーに対応しているかどうかは利用前にご確認ください。
IP300APP
■IP300APPの特徴

IP300APPはアイコムのIPトランシーバー「Withcall Biz」に対応しているトランシーバーアプリです。
アプリ同士の通信はもちろん、実機のWithcall Bizとも通信が取れるので、トランシーバーとトランシーバーアプリの使い分けが可能です。
例えば、迅速な連携が必要な現場スタッフはWithcall Bizを使用し、使用頻度が低い管理職はアプリを使用すれば、コスト削減に繋げやすくなります。
また、別売りの中継機を使用・経由すれば中継機対応の特定省電力トランシーバーとも通信できるので、より汎用性が向上します。
IP500APP
■IP500APPの特徴

IP500APPはアイコムが販売している法人向けトランシーバーアプリです。
アイコムの「IP500」「IP501」「IP502」といったIPトランシーバーと相互通話が可能なアプリであり、IPトランシーバーと同等の機能が使用可能です。
「IP無線動態管理サービス」の契約を行うことで渋滞情報や天候の情報といった情報をタブレットに表示させることができ、より現状を把握しやすくなります。
トランシーバーアプリ導入で無線通信をよりスムーズに

IPトランシーバーは導入を考えると総じてコストが掛かりやすいです。
短期での使用ならレンタルでコストを大幅に抑えられますが、長期で使用する場合、購入のほうが結果的に費用が安くなるケースは少なくありません。
そのため、購入するか、レンタルするかはケースバイケースと言えるでしょう。
トランシーバーアプリは、購入にせよレンタルにせよ、費用を抑えるのに役立つ他、使い勝手がよく、ビジネスにもレジャーにも使用しやすいアプリです。
コスト削減、もしくは効率の良いトランシーバー運用をお考えならば、トランシーバーアプリも選択肢に入れることをおすすめします。