弊社は2021年に本社および東京本社においてISMS認証取得、Pマークに関しては2022年に全拠点において取得しております。

お問い合わせ お問い合わせ
TOP > ウェブマガジン > 注意!アナログUHF簡易業務用無線機は2024年12月1日以降ご使用できなくなります

電波法の改正により、一部特定小電力トランシーバーを始めとして、アナログ無線機は2024年11月30日廃止が決定し、デジタルに完全移行します。

※本来は2022年11月30日廃止予定でしたが、2021年9月1日制度改正により、使用期限が2022年11月30日から2024年11月30日まで延長となりました。

また、本ページ記載のアナログ無線機とは「350MHz及び400MHz帯のアナログ方式の周波数」の簡易無線局を対象としております。あらかじめご了承くださいませ。

POINT

そのため、もし、古くから無線を使用している場合、手持ちの特定小電力トランシーバーや無線機がアナログだった場合、期日までに廃棄、もしくは交換をしなければなりません。

ここでは、アナログとデジタルの違いや廃止の理由を始めとして、おすすめのデジタル周波数の特定小電力トランシーバーの紹介など幅広くお伝えいたします。

なぜアナログ無線機が廃止になるのか

そもそも、なぜアナログ無線機が停止になるのでしょうか。

理由としては、アナログよりもデジタル方式のほうが効率的であり、メリットが多いということが挙げられます。

電波は有限の資源です。

それを有効活用するため、効率の良いデジタルに統一し、アナログの無線を廃止すると総務省が決定しました。

廃止後に所持していた場合

上述した理由で、アナログ無線機は2024年11月末に廃止となります。

そのため、所持しているアナログ無線は期日までに廃棄し、必要に応じて停止手続きや変更申請、デジタル無線機への買い替えなどを行わなければなりません。

期日までに間に合わなかった場合も、所持するだけでしたら問題はありません。

POINT

しかし、2024年11月末以降に使用してしまった場合、電波法違反として罰せられます。

この場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が発生します。

悪意がなかったとしても、使用することで電波の妨害を行っているとみなされるため、早めに処分しなければなりません。

したがって、2024年11月末以降にアナログ無線機を所持していても、使用することが法律で禁じられてしまうのです。

所持するメリットは皆無といって良いでしょう。

アナログ無線機の停止や処分に費用は発生する?

アナログ無線機の停止や処分に費用は発生する?

アナログ無線を所持していた場合、2022年11月までに処分あるいは変更の申請を行う必要があります。

しかし、このときどうすればいいのか、あるいはどのくらいの費用が発生するのか気になる人もいるのではないでしょうか。

ここでは、無線局の停止や更新の申請に伴う費用についてご説明いたしましょう。

無線局の停止手続き

アナログ無線の停止手続きは、総務省に廃止届を提出することになりますが、廃止届の手続きに費用は一切かかりません

総務省にも記載されているとおり、総務省ホームページで届出書のフォーマットをダウンロードし、必要事項を記入しましょう。

なお、使用しないアナログ無線機を所持し続ける分には、費用はかかりません。
しかし、不燃ゴミや粗大ゴミとして出す場合には、数十円から数千円程度の処分費用が必要です。
処分費用は自治体によって異なるので、確認してください。

デジタルの更新手続き

引き続き無線を使用する場合、無線の変更申請を送る必要があります。

その際、申請書の他にも無線局事項書および工事設計書などの書類が必要となりますが、これらの費用は無料です。


また、自分の所持している無線がアナログ・デジタルの両方使用できるデュアル無線だった場合、こちらも別途申請が必要となります。

この場合、まずメーカーに連絡し、アナログ派の停止をするための無線設備の改修をメーカーに依頼します。

そして工事をして貰う必要があります。

費用はメーカーによって異なりますが、数千円程度と考えて良いでしょう。


アナログの特定小電力トランシーバーについて

なお、特定小電力トランシーバーは、使用できるものと使用できないものの2つに別れます。

その違いは、「スプリアス発射」と呼ばれる規格で判断されるのです。

スプリアスとは「不要な電波」を意味します。
スプリアス発射の強度が高ければ高いほど所定の周波数を外れた不要な電波が発生している証明になります。


このスプリアス発射の規格が2022年に改正されるのですが、規格が新しいものであれば特定小電力トランシーバーはアナログでも使用が可能です。

旧スプリアス発射規格の特定小電力トランシーバー

上述したように、特定小電力トランシーバーは新スプリアス規格であればアナログでも使用が可能です。

では、そのスプリアス規格はどこで確認するのでしょうか。

実は、この規格の見分け方はメーカーごとに異なっており、統一されていません

したがって、ここでは主要メーカーのスプリアス規格の見分け方についてご説明いたします。

ケンウッドJVCケンウッド(JVC KENWOOD)

ケンウッドでは、公式ホームページにて旧スプリアス規格の特定小電力トランシーバーを掲載しています。

https://www.kenwood.com/jp/products/information/lpd_spurious.html

機種の中には同じ型番でも新規格のものと旧規格のものもあるので、工事設計認証番号を確認しましょう。

アイコムアイコム(ICOM)

アイコムでは、シリアルコードの表記でスプリアス規格の新旧が確認できます。

新規格のものはシリアルコードにSのマークが記載されていますので、それ以外のものは旧規格と判断して良いでしょう。

不安な場合はメーカーや総務省に確認を取ることをおすすめします。

八重洲無線八重洲無線(YAESU)

八重洲無線では特定小電力トランシーバーの新旧スプリアス規格の見分け方についての説明はされておらず、型番も掲載されておりません。


ですが、下記総務省電波利用ホームページ

https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=js01

にて必要事項を記入することで、スプリアス規格の確認が可能です。

アルインコアルインコ(ALINCO)

アルインコでは、総合FAQの通信技術の項目でスプリアス規格について説明しております。

そこで旧スプリアス規格の特定小電力トランシーバーのリストを掲載しているので、そちらを確認しましょう。

アナログ→デジタル無線機へ入れ替える方法

無線機を新しいものに切り替える場合、一台だけ所持しているというのでしたら対応も気軽に行えます。

しかし、企業によっては複数台所持している場合もあります。

その際、無線機の入れ替えは台数が多いほど煩雑になります。

手続自体はそこまで面倒なものではありませんが、処分や買い替えなど、台数が多い分手間もコストもかかりやすいです。

そんなアナログ無線機からデジタル無線機へ入れ替えを行う場合、主に4通りの対処方法があります。

①既存のアナログ無線機を徐々にデジタル無線機へ入れ替える

中小企業で無線を使用している場合、おすすめの方法です。

一度に発生する出費を抑えつつ、無理なくデジタル無線機へ移行するため、予算のコントロールがしやすいのがこの方法のメリットです。

POINT

最終的に発生する出費のトータルはかわりありませんが、一括ではなく分割して無線機を購入するので、月々に発生する費用を抑えることができます。
この際、書類の記入も月々の申請で行えるので、手間も分割も可能です。


こちらの方法は、レンタルで利用している場合にメリットがあります。

今まで使用していた無線機を交換する際、契約の見直しで再導入する無線機を吟味する機会が得られるからです。


ネックとして、入れ替えが完了するのに時間がかかるという点が挙げられます。
また、期限が迫っている時期だとこの方法では期日に間に合わない場合もあるので、計画的に交換を行う必要があります。

②必要最低限なものだけデジタル無線機へ入れ替え、不足分はその都度レンタルする

方法①と若干似ていますが、それよりも少々異なった入れ替え方法です。

複数のアナログ無線機を所持している場合、使用頻度の高い無線機だけ買い替え、残りは処分し、必要になったらレンタルで代用するという方法です。

発生する費用を必要最低限に抑えることができ、手続きも処分した分だけで済ませられるので、方法①よりも手間を減らせるのがポイントです。


注意点として、場合によってはレンタルを利用しなければならなくなるので、その都度レンタル手続きの手間がかかるという点が挙げられます。
急に必要になるという頻度が高いのであれば、レンタルよりも購入を検討しましょう。

③一度にすべてのアナログ無線機をデジタル無線機へ総入れ替えを行う

一番手っ取り早いのが停止や更新、無線機の入れ替えを一度にやるという方法です。

すべての作業を一度に行なうため、最短一日ですべての作業を終わらせることも可能です。

一方で、一度に発生する費用も高くつくので、予算に余裕がないと取ることができない方法でもあります。

あるいはレンタルなら初期費用を大幅に安くすることも可能です。


POINT

この方法は工場や大型店舗といった、いわゆる法人におすすめの方法です。

ほぼ毎日、特定の相手と無線でやり取りを行うため、無線の交換は急務です。

そのため、相手に不便をかけるよりも、一括で総入れ替えを行ったほうが、結果としてスムーズなやり取りがしやすくなります

④すべての無線機をレンタルにする

一番手間がかからない方法がこちらです。

無線機をすべて手放し、レンタルのみで活用するという手段です。

初期費用は購入するよりもレンタルのほうが安くなるので、コストが大幅に抑えられるのがこの方法のメリットです。

一方で、今後も無線を使い続ける場合ランニングコストが発生するので、トータルで見るとこちらのほうが最終的なコストがかかりやすいのがネックです。

アナログ無線機とデジタル無線機の違い

アナログ無線機とデジタル無線機の違い

デジタルとアナログを比べると、デジタルのほうがメリットは多いとされています。

しかし、アナログもデジタルには負けない強みがあり、全てにおいてデジタルが優れているとうわけではありません。

ここでは、デジタルとアナログの4つの違いをご説明いたします。

音質が異なる

デジタルはアナログに比べると、音質がクリアになりやすいです。

デジタルは音声をすべて暗号に変換し、相手に送信します。

その際発生したノイズや雑音は、暗号化する際にカットされるので、ノイズが取り除かれたクリアな音質が相手に送られます。

通信距離が異なる

電波の通信距離は、直線の場合デジタルのほうが長いです。

理由としては、デジタルとアナログの電波の特性です。

デジタルだと電波は直進して相手に受信されるため、より遠い距離でも通じやすくなるとされています。

しかし、直進しかしないため障害物の多い場所では電波が届きにくく、通信がしにくいというのがネックです。

それとは反対に、アナログは障害物を迂回して飛ぶので、遮蔽物が多い場所だとデジタルよりも通話がしやすいですが、通信距離は短くなります。

混信への強さ

デジタルは上記の問題により障害物や遮蔽物がある場所に弱いですが、かわりに混信が少ないという強みがあります。

上述したように、アナログは障害物があった場合迂回して相手に届くため、電波の移動は不規則です。

そのため、アナログは電波同士が干渉しやすくなっており、その影響で混信やノイズが発生しやすくなっているのです。

したがって、ノイズや混信対策としてデジタルを利用するメリットは十分にあるといえるでしょう。

バッテリーの消耗速度について

バッテリーは、デジタルよりもアナログのほうが長持ちする傾向にあります。

その理由は、電波の送受信の方法が関係しています。

デジタルは、一度音声を暗号に変換してから送信するため、その過程で電力を消費してしまうのです。


一方、アナログは音声の波形をそのまま相手に送信するため、バッテリーの消費量が少なくなっています。

結果、アナログのほうがバッテリーは長持ちします。


これから買い替える人へ、おすすめのデジタル特定小電力トランシーバー

特定小電力トランシーバーなら免許は不要なので更新の必要はありません。

しかし、上述した旧スプリアス規格の特定小電力トランシーバーを2022年11月末以降まで使用していると、罰せられる可能性があります。

特定小電力トランシーバーは安価なので、これを機に買い替えの検討をおすすめいたします。

ここでは、そんな特定小電力トランシーバーでおすすめの機種を、5つご紹介いたします。

ウェッジトーキー

ウェッジトーキーの製品画像
安定した品質とリーズナブルな価格が魅力

ウェッジトーキー最大の魅力は、価格が特定小電力トランシーバーの中でも安価であることです。

購入価格は7000円以下であり、レンタルならばより安価で活用できるでしょう。

また、品質に関しても強いこだわりを持っており、日本の工場で入念な品質管理を行っています。

機能面も、初めて使用する人でも操作しやすいようにシンプルになっており、オプションも充実しています。

場所を選ばない性能

ウェッジトーキーは、使用する場面を選ばず、どこででも活躍してくれるのも強みと言えるでしょう。

安価なので数が揃えやすいため、規模の大きなスーパーマーケットでも活躍してくれますし、防塵、防水機能も備わっているので屋外でも活用できます。

加えて、別売りのオプションで中継機もあるため、特定小電力トランシーバーのネックである通信距離を伸ばすことも可能です。

BM-X10

最大10名まで同時通話が可能

BM-X10はB-EAR(ベアー)が製造・販売している特定省電力トランシーバーです。

最大の特徴は同時通話人数であり、BM-X10は最大10名と同時通話が可能です。

なお、これはあくまで通話可能人数であり、膨張人数は無制限となっております。
そのため、一人が全員に向けて通話を行い、情報の共有をすることが可能です。

工事現場やイベント会場等で活躍

BM-X10のスペックをより実感したいのであれば、おすすめなのは多人数で作業を行う工事現場や、全員に向けて担当者がスピーチを行うイベント会場でしょう。
急な対応が求められるような場所では連携が取りやすく、膨張可能人数が無制限なのでガイドが美術館で作品紹介をするとき、利用者全員に聞き取りやすくスピーチすることができます。
耐久性にも優れているため、ハードな環境でも活躍してくれることでしょう。

DJ-PX10A

 
イヤホンマイクとほぼ同じ大きさの超小型トランシーバー

DJ-PX10Aは、アルインコから販売されている特定小電力トランシーバーです。

DJ-PX10Aは極めて小型の特定省電力トランシーバーであり、イヤホンマイクと同じ大きさです。
マイク部分を本体に内蔵しているため、イヤホンだけで使用可能です。
また、クリップがついているので胸ポケットに挟んで使用できるため、ケーブルなしでも使用できます。
そんなDJ-PX10Aなので、重さは約21グラムと極めて軽量です。

接客の対応向け

DJ-PX10Aは両手が塞がりやすく、また、トランシーバーが邪魔になりにくい接客業におすすめです。
小型軽量型なので耐久性に若干不安があるため、ハードな現場よりも接客業のほうが力を十分に発揮できるでしょう。

UBZ-LP20B

驚異の持続力

ケンウッドより製造・販売されているUBZ-LP20は、何と言っても持続力が特徴です。

ECOモードという省電力モードを使用することで、市販のアルカリ電池で最長100時間利用が可能であり、長丁場の使用に耐えます。
また、携帯電話のように電波強度が確認できるため、通話をする際電波の届きやすい場所にいるかどうかも確認可能です。

主に屋内の作業で活躍

UBZ-LP20は持続力が高く、防塵機能も備えている反面、ハードな場所では活躍しにくくなっています。
屋外での使用を想定している特定省電力トランシーバーのほうが活躍しやすいです。
しかし、屋内であれば問題なく活躍できるため、レストランやショッピングモールなど、活用できるシーンは多いです。

UBZ-LS20

UBZ-LS20の製品画像
 
優れた燃費と画面の見やすさ

UBZ-LS20は、画面の見やすさと燃費の良さが強みです。

モニタにはバックライト機能が搭載されているので、暗い場所でも画面がみやすくなっています。

また、高性能BTLアンプ搭載によりスピーカーの性能も優れており、大音量でのやり取りが可能です

夜間警備、レジャー・スポーツなどで活躍

UBZ-LS20のLはレジャー(Leisure)のLであり、レジャー・スポーツを想定した設計となっております。

耐久性や防塵、防水機能などが備え付けられており、屋外での仕様に耐える性能を有しています。

しかし、用途はレジャーに限らず、倉庫や学校、幼稚園などの施設内での使用でも活躍してくれるでしょう。

特に、バックライト機能のおかげで夜間での使用においては特に使いやすいと言えます。

上述した場所の夜間警備や暗所での作業においてもUBZ-LS20は活躍してくれるでしょう。


将来に備えて

将来に備えて

アナログの無線機は、一部特定小電力トランシーバーを除けば、2022年11月末をもって使用不可能となります。

そのため、現時点でアナログ無線機を所持・使用している場合は期日までの対応が必須となります。
停止や変更の手続きは総務省で確認すれば難しくはありませんが、所持台数が多ければその分作業の手間は増えてしまいます。

したがって、期日に間に合うように、計画的に処分、買い替えを行いましょう

人気記事

オンライン